Simulation Governanceの概要
日本がデジタル化に大きく後れを取っていることが、この数年来の世界的な調査で示されていますが、デジタルの一部であるCAEの分野でも、まさにそうした状況が顕著であること、さらに深刻なのは、そうした遅れに気付いてさえいない状況があります。CAEの製品は素晴らしく、使いこなす技術も人材も優秀でありながら、設計改革に効果が出ていないという現実は、技術だけではないところに課題があることを示しています。
そうした危機意識の中である時、足りていないのはシミュレーションの技術だけではなく、活用技術をしっかりと補いながら、シミュレーションに関わる組織と文化としての、大局的で長期的な視点に基づく活動なのだ、ということに気付いたのでした。技術を磨くのは当然として、それを活用し支える基盤要因も一緒につなげて考えないといけないのではないかと考えたのです。それらの総合体をSimulation Governanceとして捉え、体系化し実践する試みを、この数年行ってまいりました。
下図は、Simulation Governanceを構成する技術・活用・体制・文化の4つのカテゴリーの関係を示しています。シミュレーションは技術がコアであることは言うまでもない一方、優れた技術を設計に活用することや、支援・活用する体制と、それらをしっかりとつなげ、推進する力を生む文化と相まって、総合的な効果を発揮すると言えます。

一般的には、製造産業は、ますます高度化する複雑性設計と厳しい業務制約のなかで設計開発をしなくてはないので、バーチャル設計、即ちシミュレーションが果たすべき役割は設計プロセスの根幹をなすべきではずです。したがって、Simulation Governance方法論はそのための必須の道具立てとなります。
Simulation Governanceの体系化と診断のしくみ
「文化」「技術」「活用」「体制」という4つのカテゴリーの下に2~3つのサブカテゴリーを設定し、それらの下におのおの4~5つの項目をぶら下げた、総計40項目がSimulation Governanceの構成要素となります。

これら40項目についてそれぞれに質問と回答する選択肢としてLevel1~5まで記載したシートを作成しました。診断に参加した企業の皆さんが、自社の現状がどのレベルに相当するかをチェックすることで、数値化する仕組みになっています。そうしますと、例えば、9サブカテゴリーごとに図2下側のスパイダーチャートのような形で、本診断に参加した全社の平均値データと相対比較し、自社のレベルを判断できます。個々の40項目について詳細比較することも可能です。

本診断に参加された企業の皆さまにとってのメリットは以下の通りなります。。
メリット1:Simulation Governanceを網羅した診断項目を利用できる
メリット2:項目ごとの統計情報により、世の中の平均/上位レベルが分かる
メリット3:全平均、偏差と自社を比較し、自社の相対的な強みと弱みが分かる
メリット4:診断を定期的に実施することで、進展状況を把握できる
